アレルギー注射漫画解説

エビペン(アレルギー注射)は、多くの方に支えられたお薬です
あいち小児保健医療総合センター 副センター長 伊藤浩明

  • アレルギー科には、エピペンを持っている方が500人以上通院しています。
    その中で、実際にエピペンを使った方も、30人以上います。
    中には、学校の先生が使ってくださったこともあります。

    その中で、エピペンを使ったことを後悔している方は、一人もいません。
    子ども達に尋ねると「ちょっと痛かった」と言います。
    でも、その前のアレルギー症状のほうがずっとつらいので、痛かったことはあまり覚えていないようです。

    エピペンは、ただのお守りではありません。
    処方されたエピペンの中で、実際に使われるのは100本に1本くらい。
    残りは幸いにも使われることなく、期限が過ぎて破棄されていきます。
    エピペンの値段は、1本1万くらい。自己負担がなくても、それだけの医療費がかかっています。つまり、皆さんの「いざ」という一瞬を守ることに100万円ほどの価値があることが医療費として認められて、国民全体の負担で支えられているのです。

    それを活かすのは、「いざ」という時の、皆さんの勇気です。