学校では
仲間外れ、ぼっち
家でも
いつもひとりぼっち
そんな
寂しい思い出しかない
小学校時代
当時は登校拒否という言葉はあったけれど
不登校という言葉はなくて
学校は行くもの!という風潮だった
もしタイムマシンで戻れたら
「学校休んでも全然大丈夫なんだよ!」
って自分に言いに行くと思う
だけどそんな私を
学校に行く気にさせてたのは
他でもない5〜6年生の時の
担任の先生のお陰
50代くらいのおじさん先生で
私を仲間外れにしてたスレた女子たちは
みんな嫌って悪口ばかり言っていたけれど
表面には出さない優しさを持っている
そんな担任の先生だった
いつも落ち着いていて
目が鋭くて
ちょっと怖そうなんだけど
目の奥に温かい何かがあるような
そんな先生
そして私は多分
こっそりヒイキされていたと思う
なぜなら
片親でいじめられっ子だったから
そんな先生の人柄の良さを感じたのは
家庭訪問
水商売をしていた母
学校の行事や家庭訪問なんかは本当に大嫌いで
授業参観も入学してすぐの1年生の時に
たった1度きり来ただけで
それ以降は卒業式まで一切来たことなかった
もちろん運動会だって
一度も観に来てくれたことはない
だから学校の行事なんて好きじゃなかったし
そもそも誰も見に来てくれるわけじゃないから
やり甲斐も頑張ろうとも思えない
私にとっては
本当にシンドイ義務感満載のものだった
特に運動会は
面倒くさいだけじゃなく
ツライものと化していて
お昼のお弁当の時間なんかは
普通みんなが家族と一緒に校庭で
レジャーシートで食べるのに
私の場合誰もいないから
声をかけてくれる誰かの家族に
ひとりお邪魔して食べる
他の家族のレジャーシートに
ちょこんとお邪魔して
小学生ながら申し訳ない気持ちと
惨めな情けない気持ちとが入り混じる
みんな誰かしら家族が来てて
大きなお弁当を広げて
家族でワイワイ食べている
「さっきのかけっこ凄かったね!!
写真撮ったよ〜!」
なんて親が笑顔で話してる
そんな団欒な会話を横目に
私はひとり用の
おばあちゃんが作ってくれた
お弁当を食べるのだ
かけっこを頑張ろうと
組体操を頑張ろうと
写真を撮ってくれる人も
応援してくれる人も居やしない
だ〜〜れも見ちゃいないけど
ただ頑張る
そんな運動会が大嫌いでならなかった
授業参観だって
張り切って手を挙げても
誰も見てくれる人も居ないし
私の創作物だって誰も見ちゃいない
そんな学校生活だった
何も見に来やしないそんな母だから
家庭訪問も義務感でこなす感じだった
先生がウチに来て
家庭訪問が始まってすぐ
先生は母に職業を聞いて来た
母が愛想笑いで水商売だと告げると
今度は先生は
「パブとスナックの違いってなんですか?
僕には全然わからなくて笑」
と私の事よりも
そんな話を始めたのだ
母は笑いながらその違いを話し
和んだところで私の話が始まった
先生が帰ったあと
母も「良い先生だね」と
すっかり先生を気に入っていた
きっと、水商売ということを差別することなく
むしろ色々質問してきてくれた先生の気遣いに
感動したのだと思う
そんな先生は後にも先にも
他にはいなかったから
特別何か守ってくれたりするわけじゃないけど
いつも陰ながら見守ってくれてる気がする
そんな先生だった
そんな担任の先生がいたから
私は仲間はずれでも
ひとりぼっちでも
きっと登校ができた