化学物質過敏症に関する調査報告第3回ニュースリリース

報道各社御中

「化学物質過敏症に関するアンケート」調査報告について(第3回)ニュースリリース

                           あすぷろ実行委員会
                            委員長 上坂洋文
                           東京都江東区有明1-4-11-425
                           assystars@yahoo.co.jp
                           080-3702-2529
報道各社におかれましては日々ご清栄のことと存じます。

最近、「香害」という言葉をよく聞くようになりました。
柔軟剤をはじめとする人工的なニオイに敏感で、健康被害を被っている人たちが急速に増えています。
しかしニオイだけでなく、化学物質過敏症の患者にとって食生活の影響が非常に大きいことが、患者たちの実生活を知ることで見えてきます。
「化学物質過敏症の関するアンケート」は、被害の実態を知るための一助となるものと考えます。

前回に引き続き、今回は発症者の食生活の現状についてご紹介していきたいと思います。
アンケート結果の詳細は上記ホームページの「あすぷろ調査」の項目からご覧いただけます。
http://www.assystarsproject.net/
設問数48 回答者数172
対象者 化学物質過敏症の患者の方

化学物質過敏症の患者は食べ物の選択を間違えると、病気としての様々な症状を引き起こしてしまいます。
したがって、食べ物には注意を払っていることが多いようです。
1. Q35:農作物(野菜、果物)はどのように栽培されたものを食べていますか(複数回答)。
無農薬・有機栽培 74%
無農薬・無肥料栽培 44%
農薬・化学肥料栽培(市販品) 38%
無農薬・化学肥料栽培 27%
コメント:無農薬・無肥料栽培がベストだが、残念ながら流通量が少なく、入手が難しいです。
また、無農薬といっても、有機JAS農産物では使用が許可されている農薬が28種類程あり、患者にとって反応するものも含まれています。
無肥料が望ましい理由は、動物性堆肥の場合、家畜の飼料にはポストハーベストの農薬が含まれていたり、飼育期間中の病気予防のために抗生物質などの薬剤投与があります。
これらの化学物質は家畜の糞尿に残留して排泄されます。堆肥化されたものでも発酵時間不足で温度が上がらないと残留薬剤の分解が進まない未熟堆肥となります。
この状態の動物性堆肥で栽培されると飼料中の残留薬剤が土壌に溶出してそれを農産物は吸収してしまうリスクが存在します。
植物性堆肥の場合には化学合成農薬、化学合成肥料で育った圃場の「雑草、稲藁、圃場の残渣」で作った植物性堆肥で特に発酵年月が浅いと農薬、化学肥料は発酵熱による分解が進まず残留しているリスクが高いからです。

2. Q38:食品添加物に気をつけていますか。
気をつけている90%あまり気をつけていない10%
コメント:食品添加物の摂取が病気としての様々な症状を引き起こすことを、患者たちは経験的に知っています。

3. Q39:市販の加工品は食べますか(複数回答)。
1位 安全に配慮している業者のもの 61%
2位 自然食品店のもの 56%
3位 生協のもの 34%
4位 通常市販されている加工品を食べる 20%
コメント:市販の加工品を食べている人が少ないことがわかります。
一見すると何故市販品が食べられるのか?という疑問があるかと思われますが、避けるに越したことはないのですが、化学物質過敏症の反応レベルの違いによって食べられる場合もあります。

Q37:肉類や魚類を食べる際に、どんなことに注意していますか(複数回答)。
1位 抗生剤、ホルモン剤などの使用の有無 64%
2位 干物の添加物 63%
3位 魚介類の漁獲水域・水揚げ港 61%
3位 肉類は飼育環境がどうだったか 57%
4位 飼料が人工飼料か天然飼料か 48%
コメント:魚介類、肉類をあまり食べない、全く食べない方が19%存在します(Q36)。    
食べる場合にも、細心の注意を払っていることがよくわかります。
これらの注意が「神経質、気にし過ぎ」ではなく発症後の悪化を招かず、回復のスピードアップに繋がるので家族や周りの人たちの理解、協力が必要です。

誰もがいつ発症するかもしれない、それが化学物質過敏症です。
化学物質過敏症の発症、悪化の原因となる化学物質すべてを、私たちの暮らしからなくしていく事は極めて難しいといえます。しかし、消費者自身が環境から排除していく努力の必要性を、今回の調査は教えてくれました。

第1回の内容はhttp://www.assystarsproject.net/posts/activity44.html
第2回の内容はhttp://www.assystarsproject.net/posts/activity45.html
をご覧ください。
化学物質過敏症の症状について(診断基準:北里大学名誉教授 宮田幹夫著 化学物質過敏症BOOKより)
主症状
1. 何回も頭痛が起きる。あるいは頭痛が長く続く。
2. 筋肉痛あるいは筋肉の不快感がある。
3. 倦怠感や疲労感がずっと続く。
4. 関節痛がある。
副症状
1. のどが痛む。
2. 微熱が出る。
3. 下痢、腹痛、便秘がある。
4. まぶしさを感じたり、一過性の暗点が生じる。
5. 集中力、思考力が低下したり、物忘れがひどくなる。
6. すぐ興奮したり、精神不安定になったり、不眠になったりする。
7. 皮膚のかゆみや感覚異常がある。
8. 月経過多などの異常がある。

私ども、あすぷろ実行委員会は、「わたしの手は、だれかの翼。」の理念に共感する人を日本中に増やしていくプロジェクトを運営する任意団体です。

2016年4月13日に発足以来、「アレルギーや過敏症等」、「赤ちゃん&ママアシスターズ」、「こども応援」、「介護とリハビリとトレーニング」、「障がい者との共生」、「エンド・オブ・ライフ」、「おとなの発達障害」、「訪日・在住外国人対応」の分野を設け、それぞれに実行委員を置き、ホームページ、フェイスブックページでの展開を含むPR活動を行っています。実行委員の数は現在60名となっています。

2017年12月12日