化学物質過敏症に関する調査報告第1弾ニュースリリース
2017年11月28日
報道各社御中
「化学物質過敏症に関するアンケート」調査報告について
あすぷろ実行委員会
委員長 上坂洋文
東京都江東区有明1-4-11-425
assystars@yahoo.co.jp
080-3702-2529
報道各社におかれましては日々ご清栄のことと存じます。
最近、「香害」という言葉をよく聞くようになりました。
しかし、その被害はどの程度のものなのかわからないのが実状と推察します。
私たちが「あすぷろ調査:ベビーカーと交通機関についてのアンケート」に続く第2弾として行った
「化学物質過敏症に関するアンケート」では、被害の実態を知るための一助となるものと考えます。
今後、数回に分けて、調査結果をご紹介していきたいと思います。
アンケート結果の詳細は下記ホームページの「あすぷろ調査」の項目からご覧いただけます。
http://www.assystarsproject.net/
設問数48 回答者数172
対象者 化学物質過敏症の患者の方
1.Q1:化学物質過敏症の定義
化学物質過敏症とは発症の原因が短時間に有害化学物質に接触した後、または微量の有害化学物質に長期にわたって接触した後、何かのきっかけで突然発症した後は、ごく微量の化学物質への接触で、全身的に不快な症状が繰り返し再現される状態である。
95%がそう思うと回答
2.Q2:発症は誰にでも可能性がある。
93%がそう思う、3%がそう思わない、4%が特異体質の人だけが発症すると回答
3.Q9:化学物質過敏症のことを理解して診察・治療してくれる病院は少ない
そう思う99%と回答
コメント:化学物質過敏症は2009年10月1日に保険病名に登録されていますが、症状の多様性、原因の多様性から診断が難しく、その結果、化学物質過敏症と診断された患者の数は非常に少ないという現状があります。
北里研究所病院がクリーンルームを備えて化学物質過敏症外来を開設し、その病態解明を実施したのが1999年5月~2009年2月の事であり、現在北里研究所病院はクリーンルームを閉鎖して、一般外来として診察はしているものの、実際に診断のできる医師・病院はいまだに非常に限定されています。
4.Q10:発症のきっかけは何だったと思いますか。
第1位:柔軟剤などの高残香性製品 55%
第2位:自宅の新築・リフォームでシックハウス症候群を発症 46%
第3位:排気ガス 24%
第4位:住宅地での除草剤や殺虫剤の撒布 22%
第5位:職場での慢性的な受動喫煙 20%
コメント:当初はシックハウス症候群が第1位であり、国は2003年建築基準法改正による「シックハウス対策」を実施しました。一定の成果があった(ただし、規制されていない代替化学物質による被害は続いている)といえます。
しかし、その後に発売されるようになった柔軟剤などの高残香性製品は、被害の拡大にかかわらず、有効な対策が取られていないのが実情です(香りの感じ方には個人差があります。周囲の方にもご配慮の上、お使い下さい。といった注意書きがTVCM内に記載されているものもあります)。
5.Q14: 化学物質過敏症の診断をまだ受けていない人を含めると、化学物質過敏症の患者は人口の何パーセントくらいいると思いますか。
回答の加重平均は10.5%でした。
コメント:患者は周囲の方から症状についての話を聞く中で、その人が診断を受けていなくても、化学物質過敏症がどうかの推定ができます。
10.5%というこの事実は重く受け止めなければなりません。
「人工的なニオイに敏感で、何らかの健康被害を受けている方」といった表現を用いることで、対象者への対策を講じていくべきものと考えます。
次回は発症者の生活の現状をまとめて報告します。
私ども、あすぷろ実行委員会は、あすぷろは、「わたしの手は、だれかの翼。」の理念に共感する人(=アシスター)を日本中に増やしていくプロジェクト(ASSYstar's
Project)を運営する任意団体です。
2016年4月13日に発足以来、「アレルギーや過敏症等」、「赤ちゃん&ママアシスターズ」、「こども応援」、「介護とリハビリとトレーニング」、「障がい者との共生」、「エンド・オブ・ライフ」、「おとなの発達障害」、「訪日・在住外国人対応」の分野を設け、それぞれに実行委員を置き、ホームページ、フェイスブックページでの展開を含むPR活動を行っています。実行委員の数は現在60名となっています。