波瀾だった過去・39(孤独)
- また薬物に逃げてしまった弱い自分と
居場所が全くない生活に
私の心はあっという間に
10代の頃の深い闇に葬り去られてしまった。
崩壊しきった家族の中で
完全によそ者の私の居場所なんてどこにも無く
彼への気持ちも、愛情ではなく
どうにか助けられたらという
私の一方的な願いだったのだと
このときようやく気が付いた。
自分の情けなさと
帰れる場所のない孤独感で
生きている意味さえわからない。
これまで色々乗り越えてきたけど
見知らぬ土地でこれほどまでに
孤独感を味わったことは無かった。
仕事を辞めてしまったものの
家に居ても居場所がなく肩身が狭くて苦しいだけ。
家には居られずに
ただ毎日ふらふらと
知らないその街を
ひとり歩いていた。
行く当てもなく
ただただ、ボーッと。。。
感情も感じないくらい
もう心が壊れてしまったのではないかと
そんな風にさえ思った。
完全に私は
鬱状態になっていた。
途方も無く
昼間から街を歩きながら
ふと訳も分からず涙がこぼれる
その時ちょうど
華原朋美の「I'm proud」
という曲があって
別に好きでも何でもなかったけれど
その歌詞に
自分の過去も心も全てが当てはまる気がして
聞きながら彷徨い歩いていた
『Lonely
くじけそうな
姿 窓にうつして
あてもなく歩いた
ひとしれず ため息つく
I’m proud
こわれそうでくずれそな
情熱を つなぎとめる何か
いつも探し続けていた
どうしてあんなに夢が
素直に見れなくなってた?
街中でいる場所なんて
どこにもない
身体中から愛がこぼれていた
ひとごみをすりぬける
大人が誘いの手をひく
経験がふえてゆく
避けて通れなくなってた
さまよったって
愛すること誇れる誰かに
会えなさそうで
会えそな気がしてたから
生きてた
I’m proud
届きそうでつかめない
苺のように甘くせつないこと
夜じゅう思い浮かべていた
ひとつふたつ消えてゆく
家の明かり数えていた
街中で寝る場所なんて
どこにもない
身体中から涙こぼれていた』