塩田忠則さん

氏名:塩田 忠則(しおだ ただのり)
会社名:株式会社愛幸 役職:代表取締役
略歴:1969年4月生まれ
男3人兄弟の長男
父母妻娘息子の6人家族
1975年5月 両親が寝具丸洗い業 愛幸サンクリーン 起業
1980年    群馬大学医学部小児喘息研究 協力
1993年3月 流通経済大学卒業後 家業 愛幸サンクリーンに従事
2013年2月 組織編成 ㈱愛幸へ  同時に代表取締役就任
取得資格
クリーニング師・環境アレルギーアドバイザー・毒物劇物取扱責任者・ねずみ害虫等防除監督
剣道2段・居合道初段・弓道3段
趣味 カメラ バイクツーリング アウトドアクッキング

Q1 アトピー、喘息とふとんのダニ等の関係性?

小児喘息、アトピー性皮膚炎アレルギー性皮膚炎の中で最も早い時期に発症する傾向がみられるのはアトピー性皮膚炎です。
60%ほどが1歳未満の乳児期に発症します。
小児喘息はそれより少し遅れて2歳までの間に約60%が発症します。
アレルギー疾患を持つ子供は他のアレルギーを併せ持つことが多く、アトピー性皮膚炎と小児喘息を合併している子供のうち、約90%は、ますアトピー性皮膚炎が現れ少し遅れて喘息が発症するという報告があります。
アレルギー性鼻炎は喘息と同じころかやや遅れて発症する傾向があります。
喘息やアレルギー性鼻炎をお持ちの方はもとより、アトピー性皮膚炎をお持ちの方もダニ・カビ対策をして予防対策をすることが大切です。
赤ちゃんや子供の喘息アレルゲンのうち、発作の引き金になる頻度が最も高いのが、家の中にいるチリダニです。
喘息患者では、3~4歳の子供の80~90%子がダニに対してアレルギー反応を示します。
そして、チリダニか生活環境の中で最も多く潜んでいるのが布団の中です。
とりわけ布団はアレルギー罹患の方々のみならず、すべての方が心身を休め活力を培うところです。
一日のうちで、一番長く一所で過ごすのも布団の中です。
衛生的な環境を整えたいのは至極当然のことです。

Q2 ふとんを清潔にするための方法にはどんなものがあるか?

【清潔】とはどのような状態かを少し考えてみましょう。
①ダニや埃がない状態。
埃は、化学繊維素材の寝具でしたらそのもの自体が静電気を帯びやすく空気中に浮遊している埃(浮遊塵)を吸着します。
綿や獣毛、シルクなどの天然素材でした素材の劣化に世居り崩れてり千切れたりして、埃になってゆきます。
ダニは生物ですので、生ダニだけでなく死骸やフンも、ダニの生活環境が整えばどんどん増えてしまいます。

②使用することによる汚れの蓄積がない状態。
使用することで蓄積される汚れとは、人の体から出る皮脂やタンパク質による垢汚れ、汗などの水分とそこに含まれるタンパク物質やホルモン物質など。

主にはこの二通りが清潔さを保つ条件かと思います。

先ず第一に、ご家庭で出来ることとして、シーツやカバー類をこまめに交換し、外部から着く汚れをセーブすること。
次に掃除機などの吸引機を掛けること。
ここまでが物理的に清潔さを阻害するものを着きにくくしたり排除する作業です。

ダニの排除ですが、吸引だけでは限界があります。
死骸やフンにくらべ、ふとんの内部にいる生ダニや卵は掃除機による吸引だけでは厳しいものがありますし、卵は排除できなければ次々に生まれてきますし、生ダニも残ってしまえば、死骸フン卵をまた増やします。

ダニの生活環境を阻害すれば、その増加を減らすことが出来るのですが、その為には、ふとん内の湿度を減らすこと、ダニの餌となる人の体から出る汚れを蓄積させないことが大切です。

ご家庭でできることは、天日による水分の揮発。
残念ですが天日でダニを殺すことは難しいかと思われます。
家庭用ふとん乾燥機を利用するのも有効な手段ですが、死骸もフンもダニアレルゲンですので、殺ダニモードで乾燥した後にしっかりと掃除機で吸い取ってあげることが大切です。

そして、シーツやカバーでは体からです汚れは防ぎきれません。
汗や呼吸に含まれる水分と共に汚れが布団に蓄積されていきます。
この汚れを取り除くにはふとんクリーニングしか方法はありません。

したがって、ふとんを清潔に『する』にはふとんクリーニング(丸洗い)か、買い替えしかなく、シーツ類の交換や掃除機や天日・ふとん乾燥機に利用は、清潔な状態を長持ちさせる手段でしかありません。

Q3 ふとん丸洗いの効果?天日干しやレイコップなどとの違い?

〇天日や布団乾燥機は布団内の湿度を下げダニの生活環境を阻害する。(乾燥機の殺ダニモードではある程度の殺ダニ効果は期待できるが、死骸やフンのなくすことはできない。)

〇レイコップや掃除機などの吸引機はフンやダニの死骸や埃は排除してくれるが、帯電している埃や布団の内部にいる生ダニや卵は取り除きにくい。
ダニの餌となる、人体から出た皮脂汚れタンパク汚れなどは取り除けない。 

〇ふとん丸洗いは、ダニ、カビ埃の除去に適しているが、専門家、専用の洗濯機が必要となる。

Q4 ふとんのドライクリーニングとの違い?

ドライクリーニングは、1830年頃にフランスで開発され、水で洗うと型崩れや縮み、色落ちなどが発生する衣類を水の変わりに有機溶剤を使うことによって衣類への影響を抑えた洗濯方法です。
そもそもドライクリーニングはご家庭行うことはできませんので、目にする機会は少ないと思いますが、ドライクリーニングとは水を使わずに「有機溶剤」を使用するクリーニングの事を言います。
有機溶剤は簡単にいうと『油』です。
油を使いますので『油溶性』の汚れは落とせますが、『水溶性』の汗やタンパク汚れが主の布団の汚れを落とすには不向きです。
また、充填物(わた)により厚みのある布団において、もしも、有機溶剤が残留してしまった場合、化学やけどを起こしてしまうリスクもあります。
因みに、有機溶剤に溶け込んだ汚れはフィルターに吸着させ、何度も再利用します。
一定期間使用して廃棄する場合も専門の産廃業者に依頼することが法律で義務付けられています。

Q5 ふとんの丸洗いは自宅の洗濯機でできるか?

化繊綿の肌掛けふとんのような、薄手で乾きの良いものに限ります。
家庭用洗濯機は、浴槽が小さく折りたたんで入れるしかなく、汚れ落ちやすすぎを考えると難しいものがあります。
また、一番の難点は乾燥です。
天日で乾かすには夏場でも薄手のモノしかできません。汚れ落としが不十分で乾燥に時間が掛かったり不十分ですとカビの発生や腐敗の原因となり、衛生的なふとんとは程遠いものとなってしまいます。