志村美和さん

NPO法人春日井子どもサポートKIDS COLOR理事長 志村 美和さんに質問への回答をしていただきました。
これらの質問に対しての答えは、あくまでもKIDS COLOR及び志村さん個人の考えであることをご了承ください。

1) 特別支援教育支援員(学習支援員ともいう)は、いつ、どこで活動し、どういう人を対象に、どういった活動されているのか概要を教えてください。

・月曜日から金曜日の2時間目~給食終了後まで。(例年6月ごろから支援開始)
・ボランティアでかつ、日ごとに人も替わることをご理解してくださった上で要請してくださった小学校の通常学級
・発達障がい及びその可能性のある子どもとそのクラスの子どもたち
・担任の先生の指示の復唱及び内容説明、安全配慮、準備の介助や活動持続支援など

2) 学習支援員が必要と思われたきっかけは、いつ、どこで思われたのですか?

・私は普段認定こども園の保育教諭をしています。
障がい児との統合保育をしている園で、加配*の立場をすることが多く、担任との連携で保育がうまく成り立つことを実感しています。
また、7年間小学校の心の教室相談員をしていた頃、相談室に来る子、相談に訪れる親さんと関わってきたこと、先生方のご苦労されている姿をみてきたことで支援員は必要、と感じました。
8年ほど前に教育カウンセリングを学び始めたころディスレクシア協会名古屋様が行っている「特別支援教育支援員養成講座」に参加したのがきっかけで、「支援員」という言葉を知りました。

*「加配」は配慮の必要な子のために担任以外の保育士が同じクラスに入ること。
副担任として入ったりしている人も含まれます。
「支援員」と同じ。クラス運営の主導権は担任が、補助のプロになるのが加配や支援員です。

3) 学習支援員活動は、愛知県春日井市の活動状況は、何年前から何校に、週に何回配属されていますか?

・春日井市の雇用の支援員さんは平成27年度に6校(6名)、28年度には16校(16名)が週20時間程度、勤務されていると伺っています。
KIDS COLORのボランティア支援員は平成25年の秋頃から活動し、これまでご理解のある小学校2,3校に、毎年数名ずつ行かせていただいています。

4) 志村様が、学習支援員として活動し、学校生活で困っている子どもたちは、何に対して困っていることがあるのですか?具体的な事例を教えて頂けますか?

・例えば1年生は、学校生活や勉強(授業)に慣れていかなくてはなりません。
一度にたくさんのことを一斉指示で先生が言われたことをすぐに行動に移せず戸惑っている子が多くいます。
・勉強では、ひらがな、カタカナ、漢字、足し算、引き算、学年が上がれば掛け算、図形、小数、分数、、、とどんどん進んでいきますが子ども一人一人つまずいているところが違います。
・友だち同士のコミュニケーションやトラブルが気になるお子さんもいます。

5) 困っている子どもたちに対して、支援員は、どのような対応をされているのでしょうか?(4の事例に対して)

・先生の言われたことを復唱したり、わかるように説明したりして子どもが安心できるように心掛けます。
・その子がどこでつまずいているのかに気付き、そばでメモ帳などを使って丁寧に伝えます。
出来ているところ、頑張ったところはすぐに「いいね!」「できてるよ!」と伝えます。
・相手の気持ちになかなか気づけない、自分ルールになってしまう、ストレートに強い言葉が出てしまう、というお子さんもいますが、「え、今の言葉悲しい。。。」と伝え、言われた方は嫌な気持ちになることを教えます。
逆に「ありがとう」や優しい言葉が出てきたときはすかさず「ありがとうが言えたね」「うれしい!」を伝えます。
また、遊ぶ前にあらかじめみんなで決めたルールを確認させたり、本人だけでなく、周りのお子さんにも気になる子の言葉足らずな部分を付け足して「こう言いたかったんだと思うよ」「こうしたらあの子にも分かりやすいかも」とうまく関わる方法を伝えたりします。

6) 教師と学習支援員はどういう連携をされて、授業を円滑にする努力をされているのでしょうか?

・支援員が入る前に担任の先生やコーディネーターの先生方と、支援対象児童について話し合いの場を設けていただきます。
子どもの全体像をとらえるための情報をお聞きし、年間の目標、学期ごとの目標を決めます。
実際クラスに入るときは先生から「皆さんの学校生活や勉強のお手伝いをしてくださる先生です」と紹介していただきます。
特定の子どものためというようにならないためです。
また、活動し始めると対象児童以外にも気になるお子さんがいたりするので、少ない時間を利用して先生と会話してコミュニケーションを図り、先生とまずは信頼関係を作ります。
支援おわりには「サポート連絡シート」というものを使ってその日の支援で支援員が気付いたこと、子どもの様子、クラスでのエピソードを記入します。

7) 「わが子が授業についていっていけない。学校に行きたがらない」という子に対して、親はどう学校・本人に対応したらいいのかわからない人に支援員の立場からメッセージ頂けますか?

・あなたの周りに相談できる人はいますか?一人で悩まないでくださいね。ひょっとしたら家族に話してもわかってもらえない、という人もいるかもしれません。
学校の先生方も相談にのってくれると思います。自分にとって話しやすい人を見つけて、それが担任の先生なのか、養護教諭の先生か、教頭先生か、特別支援教育コーディネーターか、校長先生だっていいと思います。
相談員さん、スクールカウンセラーさんもいます。
話してみて、「わかってもらえなかった」と思うこともあるかもしれませんが、相談するって人と人なので合う合わないがあります。
あきらめないで、すぐに効果が出なくても一緒に考えてくれる人を見つけてください。
学校のせい、先生のせい、だけにしないで「どこからついていけなくなったのか」「なぜ学校に行きたがらないのか」の「なぜ・どこが・どうして・いつから?」を本人と向き合って、本人の気持ちを受け入れながら見守ることも大切ではないかな、と思います。

8) 学習支援員になりたい人は、いつ、どこで学べばいいのでしょうか?お問い合わせ先も教えてください。(NPO法人キッズカラーの情報、学習支援員養成講座の情報)

・春日井市の支援員さんに応募条件は有りませんが、KIDS COLORでは子どもを支援するために必要と思われる専門分野を養成講座で学んでいただいてます。
平成29年度も秋ごろから7日間13講座を予定しています。(詳細は6月ごろ決定)
★お問い合わせはKIDS COLOR HP http://www.kids-color.info/ まで。
または、直接 kidscolor2015@gmail.comへメールください。