中村正善さん

株式会社JINRIKI 社長
車いすが人力車になる。 ワンタッチで車椅子に取り外し可能なJINRIKI QUICKⅡの開発者。
JINRIKIシリーズの累計販売台数は約5,000台。
ワールドビジネスサテライトの2013トレたま大賞視聴者賞受賞。
金融系システム会社出身。
2011年の東日本大震災が起きた時、高齢者やアシの不自由な人が逃げ遅れたと知り、がれきや坂道でも移動できるJINRIKIがあれば、助けられたかもしれないとの思いから、会社を退職し、試行錯誤しながらJINRIKIの試作機を一人で完成させた。
会社員時代の貯金をつぎ込み、専門家の協力も得て3年かけて商品化。国内外での特許も取得した。

開発にあたって、こだわったことが二つ。
一つは、できるだけどんな車椅子にも取り付けられること。
電動式、自走式、オーダー製など、約9割の車椅子に取り付け可能なため、乗り慣れた車椅子を変えなくて済む。
もう一つは、部品を国内で分散して製造すること。今は長野県内の10社に外注している。販売台数が増えたら、東日本大震災がきっかけで生まれた商品なので、宮城や福島県の復興事業にしたいと考えている。
車いすを「引く」姿はちょっと見慣れないかもしれないが、これが当たり前になるくらい早く普及させたいと考えている。
障害者総合支援法の補装具費支給制度、地域生活支援事業の日常生活用具給付等事業、災害時要援護者対策用資機材、介護保険制度の福祉用具の貸与の対象となるべく、日本中を飛び回り、実演によって、製品の認知・理解をはかっている。
防災用品としての活用のほか、観光・野外活動のソリューション、学校教育の中での利用、介護・福祉の現場での利用を呼び掛けている。