化学物質過敏症の治療法について

化学物質過敏症の治療法について

専門医に受診されている方は良いのですが、発症したばかりや予備軍のうちだと、どこを受診すればいいのかが分からない方が多くいらっしゃいます。
化学物質過敏症の方の治療を行うのは、アレルギー科ではありません。
化学物質過敏症はアレルギーとは違う為、アレルギー科医は分からない医師が多い為です。

アレルギーとは免疫の異常です。
しかし、化学物質過敏症は免疫と神経とホルモンが異常になる病気なのです。
この3つは、身体にとっては無意識のうちにとても大切な役割を果たしています。
そして、精神的な症状が出る人も多くいます。

化学物質過敏症の方は、一般的なアレルギー科には、化学物質過敏症の診断や治療を求めないで頂きたいです。
アレルギー科で化学物質過敏症の診療を行っている医師は、大阪の吹角医師は正しい治療を行ってくださって、患者指導もとても熱心に行ってくださっていますが、それ以外はアレルギー科を主治医とする事はオススメ出来ません。
一般的なアレルギー科では、化学物質過敏症の治療は手に負えないからです。

逆に、アレルギー科医の分からない分野を求めてしまうと、迷惑になってしまう事もあります。
理由は様々ですが・・・
〇アレルギーとは治療が全く違います。
〇化学物質過敏症を勉強していません。
〇化学物質過敏症を否定している医師もいます。
〇専門的な検査をする機械がありません・・・。
〇クリーンルームがありません。
〇確実に赤字になってしまいます・・・。

だから、どうしても相手にしてもらえないのが現状です・・・。
化学物質過敏症の治療は簡単な事ではありません。
そして、医師にだけ頼っていたら絶対に治りません。
薬物療法だけではない為です。
薬物療法は最終手段として最低限しか行いません。
〇食事療法
〇生活指導(生活環境)
〇栄養療法
〇酸素療法
〇点滴(ビタミン剤)
〇カウンセリング
→問診票20枚
→診察時間30~60分
(検査の他に医師との診察時間)
〇薬物治療
→解毒剤、抗てんかん薬、有機リン中毒薬などを使う場合もあります。

人によって違います。
そして・・・
生活用品を安全な物に替えたり、洋服を全て買い換えたり、食生活も自然農法や添加物を使わない物を摂取しなければならずに、生活費が膨大になります。
これはワガママではなくて、治療の為に必要な事なのです。

さらに、必要に応じて・・・
空気清浄機(数台)
浄水器
などの購入が必要な方がほとんどです。
引越し、避難、転地療法が必要な方もいます。
アレルギー科の医師では、なかなかここまで勉強してくださって指導が出来る医師がいない状況です。
日本臨床環境医学会の学術集会に出席しているアレルギー科医の数でも分かります。

さらに、化学物質過敏症の多くの方は電磁波過敏症も併発されて、電磁波の影響により苦しまれている方がほとんどです・・・。
しかし、電磁波に関しては多くの医師がまだご理解をされていないのが実情です・・・。
電磁波過敏症については、検査や診断をする医療機関は、日本では極わずかしかありません・・・。
また、アレルギー科を受診して薬物治療を受けた事によって余計に悪化してしまい、食べ物が食べられなくなってしまったり、薬物過敏症になってしまった・・・。
という方もいます。
アレルギー科の医師にとっても迷惑になってしまう事もある為に、アレルギー科を主治医とする事はなかなか難しいのが現状ではあります。

また、アレルギー科で唯一分かる事は、「化学物質アレルギー」かどうか?
有機リン中毒の有無。
という事です。
〇化学物質のアレルギー
〇化学物質過敏症
〇化学物質の中毒
は違います。
その為に、アレルギー科を受診して、納得しなくても、それは仕方ないと思って頂きたいと思います。

化学物質過敏症については、100%は有り得ないのです。
人によって、原因物質、症状、重症度、良くなる為の物、良くなる為の期間も全く違います。
また、患者側としても、どこまで妥協出来るかがとても大切なのです。
現状を分かった上での要求と、単なるワガママとあります。
また、化学物質過敏症だけではなくて、他の病気を併発されている方も多くいますので、他の病気との判別がとても大切なのです。

食べ物が合わない・・・
食物アレルギーなのか、化学物質過敏症で食べ物に反応してるのかは全く違います。
ごちゃ混ぜにする人が多いのですが、食物アレルギーは生命に関わる為に判別はとても大切です。
色んな症状が出る・・・
それぞれを受診して、他の病気であれば、治療が必要な場合もあります。
特に、命に関わる病気があれば、そちらの治療を優先しなければならないのです。
どんな時でも、生命の維持が一番最優先と考えて頂きたいと思います。

特に、重症な方だと、何も食べられない、何も飲めない・・・。
という方もいます。
栄養素の摂取が出来なければ・・・
体力も落ちます。
免疫力も落ちます。
それによってさらに悪化する事も多くあります。
何も食べられない、何も飲めない・・・というのが何日も続けば、それだけで生命の危機に侵されてしまいます・・・。

その場合は、医療機関に行く事によって化学物質過敏症が少し悪化したとしても、生命維持を最優先しなければならない事もあります。
キチンと受診していないと、これらも分からなくなってしまいます。
化学物質過敏症の方は、必ず専門医の受診をして、正しい治療をして頂きたいと心から願っています。
それだけ、化学物質過敏症という病気は難しい病気であります。

逆に言うと、簡単ではありません。
医師に頼ってばかりでは治りません。
本人が自覚して、勉強して、考えて、改善や対策の努力をして試行錯誤して自分に合う方法を見つけて行かないと治らない病気だからです。
それで、発症されたみなさんは苦労しています・・・。
化学物質過敏症という病気を解明したら、ノーベル賞レベルと言われていて、アメリカから心臓外科医が日本へ学びに来ているぐらいの高いレベルの病気なのです。
なぜ医療が遅れている日本にアメリカの心臓外科医が学びに来るのでしょうか?

この病気を甘く見たら、それだけつらい思いをしてしまいます・・・。
それだけ患者さん達は苦しんでいます。
良くなる人には、良くなる理由が何かあります。
良くならない人には、良くならない理由が何かあります。
改善しない、変わらない・・・という方は、周りを見直してみてください。
良くならない原因があると思います。
そして、まずは疑わしいと思ったらQEESIをしてみてください。
月1ぐらいのペースでQEESIを自己診断として行って、治療法を検討してください。

例えば・・・
〇シックハウスを発症した家に住んでいたら、なかなか良くなりません。
〇農薬に反応する方が、慣行農法(農薬を使用している)農産物を食べていたら、なかなか良くなりません。
〇排気ガスや農薬散布の多い地域だと回復しにくい場合があります。
〇発症した職場で働き続けると回復しにくい場合があります。
〇ご家族と同居していたら、ご家族の使う物も協力してもらわないと、毎日曝露し続けていたら、なかなか良くなりません。
現在の状況について、良くなる理由と、良くならない理由を、書き出してみてください。

どうするかを決めるのはご自分です。
良くなる人は、早い人で半年~1年ぐらいで「良くなって来た!」と実感が湧きます。
発症してから長いのに
良くならない・・・
悪化している・・・
と感じている方は、悪くなる理由が多い、または良くなる理由が足りないのかも知れません。
悪化していないうちや予備軍の方は、何らかの症状が出ていても「出来る範囲で・・・」と思われる方が多いのですが、そこが要注意なのです。
一気に徹底して対策・改善をしないと、確実に化学物質が蓄積して行きますので、徐々に悪化してしまうのが、この病気の怖い所なのです。

また、専門医だけではなくて、精神科医との連携も必要と専門医は話されています。
さらに、将来は脳の病気として解明されて行くだろう・・・と専門医は話されています。
化学物質過敏症の方が多く服薬している、タチオンという解毒薬は認知症の人も服薬している人もおり、認知症の治療にも効いている人もいるそうです。
日本では、診療をしてくれて、正しい診察をして、診断書を書ける医師はほんの数名しかいないのが現状です。
本当に治療をしたい気持ちをお持ちの方は、日本国内なら遠くてもどこにでも行って通院をしているのが現状です。

最後になりますが、専門医を受診する事がなぜ必要か?
〇正しい治療を受ける。
(これが一番です。)
〇薬物過敏症や電磁波過敏症まで理解している。
〇診断書や意見書などを書いて頂ける。
〇障害年金を受けられる。
〇診断書を見せると、身近の今まで理解してくれなかった人が理解してくれる。
(家族、親戚、友人、学校、職場、近くの医師など)
〇近くの医師に、手紙を書いてくれて、指示を出してくれる。
〇他の病気になって治療が必要な時に、手紙を書いてくれて対応方法など指示を出してくれる。
〇裁判に協力して頂ける。
〇電話診察が受けられる。
(医療機関による)
〇医師の患者教育が受けられる。
(医療機関による)
〇キチンとした検査が受けられる。
(医療機関による)

日本全国のどちらの専門医を受診するかはご自由です。
それぞれの先生のお考えも治療方針も治療法も違います。
発症しない事、悪化しない事、早めに良くなる事を願っています。
また、化学物質過敏症は治る病気ですが、再発もする病気ですので、上手に病気とお付き合いをする事が大切ですね。