化学物質過敏症 ホテル対応マニュアル

これは一律のマニュアルではなく、「化学物質過敏症」への対応を理解する一助として作成しています。御社の事情に鑑みて出来るだけ対応していただけるようお願いいたします。
化学物質過敏症の方にとって、ホテルに宿泊することは大変なことです。
なぜなら、本来は快適な場所であるべきホテルに宿泊することによって、逆に体調をくずす可能性があるからです。
化学物質過敏症という病気は、ごく微量の化学物質に反応するので、健康な方から見ると何がNGなのか推測がつきにくいと思います。
下記の説明をお読みください。
一人ひとりの患者によって、苦手なもの、またその程度が異なりますが、それは、食べ物の好き嫌いやアレルギーなどとと同様とお考えいただけると幸いです。
化学物質過敏症の方がホテルとFAXで事前にコミュニケーションするためのペーパーも用意しましたので、ご活用ください。

ホテルの利用機会

  • 病院に行くとき。  
    化学物質過敏症の診療をしてくれる病院は非常に少ないため、遠方から宿泊で来られるケースが多いのです。
  • 近所で家の新築、修繕により、塗料や接着剤の使用が大量に行われる場合。  
    空気中の化学物質がどうしても自宅にも入ってしまうことが多いため、工事期間中、安全な場所に避難されるケースが多くみられます。
  • 大学受験や出張、イベント、セミナーなどへの参加のため。

ホテルに入るまでの公共交通機関の利用は、化学物質過敏症の患者にとってリスクの高いものであり、ホテルの中は身体を休める場所であることを期待しています。

何がNGなのか

  • 空気中の化学物質。  
    具体的には、タバコの煙、柔軟剤や洗剤の香料、香水、お香、自動車の排気ガス、芳香剤、脱臭剤、アロマなど。
  • 体に触れるものの化学物質。  シーツ、ソファ、椅子、手洗いせっけん、シャンプー類など。
  • 電磁波  
    wifi、電気製品などは苦手です。

 

どういった対処方法を取っているのか

  • 空気中の化学物質に対して。  
    空気清浄機を持ち込むケースが多いようです。  
    特別なマスクを使用します。
  • 体に触れるものの化学物質。  
    シーツやタオルを持参されるケースが多いようです。  
    手洗い石鹸やシャンプー類は持ち込まれます。  
    アルミシートなどを敷いてその上に座ることが多いです。
  • 電磁波。  
    寝るときにスマホの電源を切ったり、テレビや冷蔵庫、エアコンの電源を切ったりされることがあります。

 

ホテルとしての対応はどうすればいいか

  • 下記の「ホテルへの希望事項チェックリスト」の内容を確認のうえ、ご対応いただく。
  • エントランスからロビーにかけてアロマを使用している場合は、残念ながらホテルを利用できないので、その旨をお伝えいただく。
    ショップやスパなど、香料製品やアロマを利用する場所の近くは通らないようにしたいので、ホームページに館内MAPの掲載があると大変助かります。
  • 窓の開けられる部屋があれば、可能なら自動車の排気ガスが入らない中層階以上の部屋を用意していただく。
  • 直前の利用者がタバコや香水などを使用され、ニオイが残っている場合は、オゾン脱臭をかけておいていただく。
  • 事前の客室清掃では、宿泊客の希望があれば、手洗い石鹸、シャンプーなどは用意しなくてもよいです。
  • ベッドメーキングでは宿泊客が希望すれば、掛け敷きのシーツ、ピローケースは持参のものを自分でセッティングさせていただきたいので、それらのものは外しておいてください。
    連泊の時は退室までそのままにして、ファブリック類の設置、交換も必要の有無を確認してください。
    滞在中はゴミも自分で処分するかを尋ねて、入室は最低限に配慮してください。
  • 事前連絡のうえ、空気清浄機等をホテルに送ってこられた場合には、入室前に部屋に置いておいてください(開封して移動するか否かは宿泊者と要相談)。
  • ホテル内のレストランの利用は任意なので、特に気を使われる必要はありません。
    食品添加物、農薬を使用した食べものは苦手なので、前もって食事をするお店を調べて来られるケースが多いようです。

 

宿泊希望の患者からの要望事項を円滑に伝えるために

患者の方は、下記のチェックリストに記載して、FAXまたはメールでホテルに前もって送られることをおススメします。