この分野の理事の遠藤ひできさん(一般社団法人LMN代表)にヒアリングした内容をまとめました。(上坂)
エンド・オブ・ライフ
一般社団法人LMNのLMNとは
Life Medical Mursing の頭文字を取った。
きっかけ
終活分野にかかわることとなったのは、両親の在宅介護がきっかけで、悔いが残ったことから、終末期について勉強するようになった。
医療・介護分野に携わる人の交流会である医介塾(在宅医療について定期的にセミナー開催、1800人)でも勉強させてもらった。
核家族、終活
核家族という言葉は1966年に生まれた。
コミュニティが徐々にくずれていった時期。
核家族の延長線に終活がある。
終活は2010年週刊朝日の造語といわれている。
終活カウンセラーは11000人おり、自分は上級カウンセラー。
同様の資格を加えると、5万人以上。
資格はあるものの、終活自体が世の中に浸透しておらず、活用されていないのが実情。
たとえば、延命治療はやらない方がいいとかの発信はするものの、実際には世の中に受け取られていない。
亡くなるとき、孤独な人が多い。
墓、家、相続など1人で考えて引き継いでいく。
エンド・オブ・ライフケアという言葉は3年前に医療と看護業界で使われるようになった。
本人だけでなく、残された人たちのことも、死から始まるいろんな事柄をまとめてケアしようというもの。
いのちてらすサポート
いのちてらすリポートは、今までのターミナルケアや緩和ケアの考え方と違い、死を意識して、死から始まるいろんな事柄をまとめてケアしようというもので、いつでも死に対応できる準備をするもの。
男は死を意識してもらうことが難しく、死を受け入れない傾向があるが、女性は死を考えられる。
意識できれば、準備できる。
横軸が重要
医療・看護、介護、葬儀社などがみな縦割りで対応しているが、重要なのは横軸である。その人の余命とその家族を支える仕組み作りが望まれる。
ターミナルケアという言葉は20年前に生まれたが、自分は好きではない。
なぜなら死は終着駅ではないから。
死はステーションの一つである。
死に直面したとき、家族は疲れている。判断させることは心の休まりにならない。
悔いをなくせない。
事故の場合などは、いきなり死に直面するわけで、家族は現実を受け入れにくく、サポート(グリーフケア)は大変である。10年ひきこもる人もいる。
お金も困る。
家族とはいろいろ問いかけないといけない。
たとえば、マスコミをシャットアウトできる葬儀社の紹介とかが必要となる。
LMNにはヘルプの電話1本で対応を行うことになるが、横軸を作っていれば、どんな死にも対応できる。
もしものときのために準備することを生活者に訴えていくのがこれからの活動である。
LMNの4つの部門
LMNの組織は4つの部門に分かれる。
1. LMN学交部門
みとりの学交は最低限を教え、みんなで交流することで支えるものである。
お片付けの学交も作った。企業からのセミナー依頼もある。
2. 地域コミュニティ部門
相談室のためのコンテンツを作っているところ。
相談員に情報提供することで、行政とつながっていく。
3. Uno-ケア部門
介護をする方へのケアサポート。
4. エンド・オブ・ライフケア
介護・医療・相続・納骨・土地活用と対応する幅は広い。
会員制の導入
相談会を実施しているが、自分のことだけでなく、家族のことも聞いてくる。
全般的なことを答えると、安心してもらえる。任せると言ってくれる。
しかし、せっぱつまったときに電話をもらっても、きっちりとした対応ができない。
そこで、会員制を考えた。シングルプラン、夫婦などのパートナープラン、ファミリープランの3種の会員登録を設けた。
LMNは一般社団法人で経費・管理費に不安があるため、プランニング料(3万円から)を設定した。
リビングウィル
本人の意志を尊重し最善の医療を尽くすためのプランがリビングウィル。
抗がん剤はいやだとか、旅行へ行きたいとか大部屋のベッドがいや(女性は特に)とかに対応する。
人様に迷惑をかけたくない、子どもに迷惑をかけたくないといった相談が多い。
ほとんどの人が家族とのコミュニケーションを取っていない。
マイケアプラン
ケアマネは介護保険内でプランを作るが、マイケアプランでは適用外のプランも考えていく。
エンディングケアプラン
エンディングケアプランでは葬儀の形、供養の形を本人の意思を尊重しながら決めていく。
最近では家族信託で相続に使える保険も出てきた。
少額短期保険(葬儀保険)では、生前契約により、葬儀社を受取人とし、保険からLMNに支払うことで十分なケアを行うことができる。
LMNにとっては遺族との金銭の直接のやり取りが不要になることから、ホスピタリティのあるサービスを提供することができる。
様々な企業・団体とのアライアンス
LMNは様々な企業・団体とアライアンスを組んでいく。
5%以上のアライアンス料を提供してもらうようにしているが、提供できない業態もある。