防災教育
東日本大震災以来、多くの人が一瞬にして大切ないのちを失う苛烈な自然災害が続く中、一つでも多く助かるいのち を助け、一人でも悲しい思いをする人を減らすために、乳幼児・未就学児の⺟親に対し、平時・有事の物心両⾯において「知と備えのある⺟親」を創り、親⼦で安心して暮らせる「備災の国」にする必要があります。
しかし、自治体の防災セミナー、自治会やマンションごとの防災訓練では十分な対応ができているとはいえません。参加者が少なかったり、役員中心のいつものメンバーになってしまっているのは、内容が良くないからではないでしょうか。
防災教育を提供する側が「興味関心のない人に伝える力」を磨くことが大切なのです。
6歳以下の⼦どものいる全国の470万世帯の「⼦どもや家族のために何かしたいと思うが、何をしていいか分からないので何もしてない」62%の方々が対象です。
ママたちも、自分の子どものいのちは自分が守るのだという強い気持ちがあります。そういった気持ちに寄り添った「学びの機会」を提供していく必要があるのです。
かもんまゆさんは東日本大震災の際、約10か月間に渡り、全国のママから集まった段ボール950箱以上の物資を、1200人以上の避難所に入れなかった被災地のママと子どもたちに送付した活動を機に、防災ママプロジェクトを立ち上げ、200人を超える東北ママたちの協力のもとに「あの日、ママと子どもたちに何が起こったのか」をまとめた「防災ママブック」を企画制作し、ママたちに伝えるワークショップを開始しました。
また2016年4月に起こった熊本地震では、離乳食炊き出しプロジェクトなど乳幼児ママへの細やかな支援活動を通じ、100人を超えるママの声を集め、ママのための防災ブック「その時、ママがすることは?」を企画制作しました。
難しい専門用語は一切使用しない、映像や画像で分かりやすく、被災したママたちのリアルな声を、ママの心に響く「ママ語」で伝える「防災ママカフェ」を実施し、今まで150回、8000人近い方々が参加されました。
これからも、共感を持って⼝伝できる⺟親講師を育成し、受講した全国の⺟たちがつながり、発災時にはリアルな物資⽀ 援ネットワークとして稼働する全国防災ママネットワーク(シナプス)を構築していきます。
避難のために必要なツールの整備
車椅子の人が避難するのは、容易なことではありません。
今、全国の介護や看護の現場において、「自然災害などの緊急時に、車いす利用者がいかに安全で速やかに避難できるか」ということが、大きな課題になっています。
早期の避難の徹底で、死亡被害者は8割まで減らせるとの予想もされています。
もし、私の住む町が災害にあったなら。 避難する際、車いすで悪路を移動する人を尻目に、自分だけ避難所に逃げられるでしょうか。
かといって、車いすに乗った人を押して、坂道を高台まで登ることなどできるのでしょうか。
「走って逃げられない方」が、速やかに避難することは非常に困難です。
災害時に「要援護者」となるのは車いす利用者だけではありません。
▼災害時に車いすでの救助が必要となる要援護者(走って逃げられない方)
・車いす利用者や身体に障害のある方 ・妊産婦 ・高齢者 ・乳幼児 ・疾病人 ・視覚障害のある方 ・知的障害のある方 などがいらっしゃいます。
緊急時には、誰もが「自分事」として助け合うことが当たり前になってほしいと願います。
そして、災害時の備えとして、車いすのある家庭、介護施設、公共施設などに、JINRIKIが常備されることで救える命があると、JINRIKIの開発者、中村正善さんは考えています。
避難所に少数者のために必要な物資が届いているか、渡されているか
永野恵理さんはくまもと地震緊急支援『関東から 10トントラックいっぱいにして☆熊本のママたちへ安心安全の食べ物をおくろう!』を実施しました。
たくさんの皆さまのご支援、ご協力のおかげで、アレルギーに配慮した食料品や、その他救援物資が千葉に集められ、4月21日にトラックに積み込みされ、熊本に向けて出発しました。
それらは、無事に4月22日に熊本に到着し、避難所として指定されている熊本市立慶徳小学校をメインに、集めた救援物資や、アレルギーに配慮した食品の支給などを行いました。
また、そのほかの避難所では炊き出しを行ったり、熊本の企業から敷地の提供のご協力を得て、物資の積み下ろしや配給などできました。
避難所には様々な方が生活します。アレルギーの方、特定の化学物質がダメな方に適切な食料を届かないと、それらの方は生活できません。
避難所に届いた物資を必要な方に適切な方法でお渡しすることも、もちろん大切で、ソフト面での対応が求められています。